どうすればブラックホールは観測できる?

光すら逃げられないブラックホール、どうやって撮影する?

以前の記事で、ブラックホールは光すら逃げ出すことができないため人が観測することはできない、と説明しました。そんなブラックホールをどうやって撮影したと言うのでしょうか。答えは簡単、ブラックホールが光すら逃げられないのなら、周りの光を飲み込んでその部分だけ文字通り『黒い穴』になっているはずです。

左図: 明るい領域だけある場合
右図: 明るい領域のなかにブラックホールがある場合



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地球サイズの超高性能カメラ(EHT)

以前紹介したように、ブラックホールの大きさはとても小さいです(太陽の質量のブラックホールが東京上野間ぐらいの半径)。花粉症に悩まされている人でも、春の季節に飛び回る小さな花粉の粒子その一粒一粒を見分けることはできないでしょう。実際に花粉を見たいのであれば、学校に置いてある顕微鏡を使う必要がありますね。ブラックホールも同じ、それを見つけるためにはそれにふさわしいテクノロジーを用いた、顕微鏡ならぬ望遠鏡という超高性能カメラが必要なのです。どのくらいの性能の望遠鏡が必要かと言うと…ざっと月に置いた1円玉を地球から見つけることができるくらいの性能です。『そんなことが今の人類に可能なのか?』と思う方もいるでしょう。実は世界中の人が手を取り合うことで、それが可能となりました

この地図には望遠鏡の位置がマークしてあります。これらの望遠鏡一つ一つを使っただけではブラックホールは見えません。しかしこれらの望遠鏡が国境を越えて、それぞれの観測の弱点を補うことによって、まるで地球サイズの口径をもった望遠鏡の性能へ進化することができるのです。

ブラックホールに手が届く日は、もうすぐそこに!

日本時間の2017年4月5日にいよいよこの大望遠鏡を使ったブラックホールの撮影がスタートしたと、国立天文台から発表がありました。天気にも恵まれて、良い観測ができたようです。今回の標的はSgr A*(サジタリウス・エー・スター、射手座の方向にあるA*という天体)です。射手座の方向は、我々の住む天の川銀河の中心方向であり、そこには超巨大ブラックホール(Super Massive Black Hole, SMBH)があります。『ブラックホールの撮影に成功』という見出しが新聞の一面を飾る日も近いでしょう。



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投稿者:

中村 俊

中村 俊

1993/09/04生まれ。機械系大学院を休学し、ベンチャーでインターンしている最中。直近では、デカルトの「方法序説」に感銘を受けた。 趣味:読書、web開発の勉強、異分野の論文読んだり、記事書いたり。 最終的には経営者か研究者になりたい。

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