熱力学第0法則とは?
最初に定義から入ります。 物体Aと物体Bが熱平衡にあり, 同じ状態のAと別の物体のCがまた熱平衡にあるならば, BとCを接触させても熱平衡
が保たれ変化は生じない。
文章で書かれてもイメージできないですね。以下に概念図を示します。最初, 物体Aは物体Bよりも温度が高いとします(T(A)>T(B))。熱は温度が高い方から低い方へ移動するので、AからBへ熱は移動します。
T(A) = T(B)となるとこれ以上熱は移動しません。これが「熱平衡」という状態です。
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話を元に戻しましょう。定義通り, 物体Cを考えます。(物体Aと物体B)の時と同様に考えます。AとCが熱平衡なら下の図のようになりますね。

ここで, 定義をよく思い出しましょう。『物体Aと物体Bが熱平衡にあり, 同じ状態のAと別の物体のCがまた熱平衡にあるならば』とあります。
要するに、(物体Aと物体Cの説明で用いた物体A)と、先ほどの(物体Aと物体Bの説明で用いた物体A)は全く同じものということです。物体Aが同じなら, 当然下の図も成り立ちますよね。

なので熱平衡同士のBとCを接触させても変化なし=熱平衡ですよ っていうのが、熱力学第0法則です。え?これだけ?って思うかもしれないですがこれだけです。
熱力学第0法則は教科書に書かれてはいますが、あまり授業では取り扱われません。なぜなら、当たり前すぎて説明するのが難しい、というか説明しようとすると逆にわからなくなる
ものだからです。
しかしこの当たり前すぎる法則が成り立たないと、温度計で計測した温度が実際の温度と違う!!なんてことになってしまいます。熱力学第0法則がないとそもそも温度が定義できません。
この法則を知らなくても東大には受かるでしょうが、当たり前のことだからこそ大切なことがある、というのも物理や数学の世界にはたくさんあるということを知ってくれれば嬉しいです。
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