慣性の法則を本当に理解することを目指す。

「電車が止まった時に、どうしても動いてしまうのが慣性力だよ」って言われてもなぁ…

高校の時、授業でこう言われた人は多いと思います。でも教科書には、慣性力は「見かけの力で本当に働いているわけではありません」と書いてある。どっちなんだよwwそう思う人は多いと思います。電車の説明は誤解を招くので良い説明とは言えません。

今回はその間違った解釈を直し、本当の「慣性の法則、慣性力の理解」をしましょう。

慣性の法則の正しい理解

慣性系とは「物体に力が働いた時、それに比例した加速度の生じる系」です。式で書くと、
\begin{eqnarray}
F = m \times a \leftrightarrow a = \frac{F}{m}
\end{eqnarray}
の加速度が生じる系となります。別な表現をするために、もう少し深掘りします。

慣性系で、加速度が働かない場合はどういう時でしょうか? \(a = 0\)の時なので、 \(F = 0\)の時ですね。当たり前と言っちゃ当たり前です。

要するに、慣性系は「外力が働かなければ、物体は加速せずに、そのままの状態を保つ(等速運動しているなら、等速運動のまま)」となります。これが「慣性の法則」です。ここまでは教科書通りでしょう。しかし、この書き方は特別な条件のみを取り扱って述べていますね。「外力が働かなければ」と言っているのですから。

そんな特別な場合のみを取り上げて、それを原理のように扱ってしまって良いのか?と思う人はいると思います。しかしそれで良いのです。「慣性の法則」の真髄は、「宇宙には、運動方程式の成り立つ式すなわち、慣性の法則の成り立つ座標系が少なくとも一つは存在する」という、慣性系の存在の主張ないしは、要請であるからです。

は?って思った人いるかもしれません。しかしこれは「理解する」というよりも、「受け入れる」に近いです。これは定理とか、定義なのではなく、原理です。「原理」とはそういうものとしか言いようがないものです(証明のしようが無いもの)。実際に、人類がここまで技術的に進歩したのはこのように決めつけた結果、ニュートン力学に一切の矛盾が含まれないからです。



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慣性力の正しい理解

「外力が働かず、加速度が生じない系」を慣性系と呼ぶというのは、上述しましたが、この慣性系に対して「外力が生じる(加速度が生じる)」場合ももちろんあります。それは「非慣性系」と呼ばれています。 電車の例では、外から見ている人たちが慣性系。電車内で見ている人が非慣性系というイメージです。ここで、摩擦がない状態で電車が前に進んだとします。非慣性系(電車内の座標系では、)以下の図のようになるはずです。

非慣性系なので、電車が進むと考えるよりも、車内の人が相対的に見て、後ろへ滑るというイメージです。しかし実際には、靴の摩擦があり、電車が発信しても後方へ滑ることはありません。電車発進時に後ろへ力を受けるのは「靴が後ろへ滑るのをそうさせていない証」です。

なので、この記事の題名の正しい理解は、

慣性力→後ろへ力を受ける ではなく、

慣性力→後ろへ滑る→靴の摩擦でそれは防がれる(電車と共に前方向に運ばれる)であるから、靴の裏の摩擦で電車の加速度方向にひきづられているだけです。

以上、慣性系と慣性力について日常観察できるものを取り上げて、述べていきました。「外力が働かなければ、物体は加速せずに、そのままの状態を保つ(等速運動しているなら、等速運動のまま)」というのはあくまで慣性系の原理であるから、ニュートン力学が通用しない場合は、違う座標系を誰かが定義しなければなりません。相対性理論の中で使われている座標系は「アインシュタインの座標系」と呼ばれています。



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投稿者:

中村 俊

中村 俊

1993/09/04生まれ。機械系大学院を休学し、ベンチャーでインターンしている最中。直近では、デカルトの「方法序説」に感銘を受けた。 趣味:読書、web開発の勉強、異分野の論文読んだり、記事書いたり。 最終的には経営者か研究者になりたい。

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