数学のdiv(発散)って一体何よ?


今回はdiv(発散)について述べようと思います。理工系の人なら目にすることが多いこの文字。定義や計算方法などは習いますが、物理的にそれが何を意味するのかを知っている人は少ないと思います。これを知っているだけでも、計算結果のイメージがしやすくなるので、この際に、確認していただければと思います。

divの定義

以下に定義を示します。
\begin{eqnarray}
\mathrm{div} {\bf A} = \frac{\partial A_x}{\partial x}+\frac{\partial A_y}{\partial y}+\frac{\partial A_z}{\partial z} = \nabla A
\end{eqnarray}

これが定義なのですが、もちろんこれが何を意味するのかはよくわかりませんね。



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divの意味

ここでは簡単のため、2次元の場合を考えます。2次元の密度が一定の流れ、すなわち非圧縮性の流れを表す速度ベクトル\({\bf v}(x,y)\)を考えます。

以下のような二次元の流線が描かれた領域に、幅\(\Delta x \Delta y\)の微小な長方形ABCDを考えます。

単位時間に線分AB を通って長方形に流入する流体の質量は、この点での速度\({\bf v}(x,y)\)のx成分\(v_x(x,y)\)と長さ\(\Delta y\)に比例するので\(v_x(x,y)\Delta y\)であり、一方線分DCを通って流出していく流体の質量は\(v_x(x+\Delta x,y)\Delta y\)となります。ここでyの値はyとy+dyの平均のy+(dy/2)を取るべきなのですが、dy/2 は微小なのでyで近似できることに注意してください。

この二つの量が等しい時、すなわち\(v_x(x,y)=v_x(x+\Delta x,y)\) の時に,ABとDC間での流体の増量はないことになります。これが等しくないときは
\begin{eqnarray}
v_x(x+\Delta x,y)\Delta y – v_x(x,y)\Delta y
\end{eqnarray}
が幅\(\Delta x\) 間での流体の増量分を表していることになります。

一方、同様にして、線分BCとDC間でも増量分は
\begin{eqnarray}
v_y(x,y+\Delta y)\Delta x – v_x(x,y)\Delta x
\end{eqnarray}

となります。よって増量分の合計は

\begin{eqnarray}
\{v_x(x+\Delta x,y) – v_x(x,y)\}\Delta y + \{v_y(x,y+\Delta y) – v_x(x,y)\}\Delta x
\end{eqnarray}

となります。ここで、微小面積\(\Delta x \Delta y\)あたりの増加率は\(\Delta x \Delta y\)で割ると、

\begin{eqnarray}
&&\frac{v_x(x+\Delta x,y) – v_x(x,y)}{\Delta x} + \frac{v_y(x,y+\Delta y) – v_x(x,y)}{\Delta y}\\
&=&\frac{\partial v_x}{\partial x}+\frac{\partial v_y}{\partial y} = \mathrm{div} {\bf v}
\end{eqnarray}

となります。これを三次元に拡張してやれば、div\({\bf}\)とは、単位体積あたりの流体の増加量(湧き出し量)と考えることができますね。



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以上のようにdiv(発散)は実は「流体力学」と関わりのある重要な概念です。これから読者のみなさんが習うであろう様々な方程式にも登場する可能性は大いにありますので、このイメージを頭の片隅に入れておいてください。また今回、式変形の途中で偏微分が出てきましたが、そこの詳しい説明は省きました。偏微分に関しては、また別に記事を用意して説明しようと思います。

 

 

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投稿者:

中村 俊

中村 俊

1993/09/04生まれ。機械系大学院を休学し、ベンチャーでインターンしている最中。直近では、デカルトの「方法序説」に感銘を受けた。 趣味:読書、web開発の勉強、異分野の論文読んだり、記事書いたり。 最終的には経営者か研究者になりたい。

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